「中央区まるごとミュージアム」ってイベントが東京の中央区で毎年一回秋に開催されている。イベントと言っても、多発している小さな個人レベルでの文化系のイベントを中央区が後押しするカタチで広報などをバックアップしてくれるというモノ(と理解している)。
当日は中央区での観光船やバスなどを無料運営。ポスターや開催場所の地図を盛り込んだパンフレットを作成するなど、個人レベルでイベントを開催していた人達にとっては、とても強力なサポートとなってる。
ここに参加する費用などは一切かからないけれど、金銭でのサポートも一切ない。ある意味分かりやすい立ち位置での関係性でもある。
更に、客寄せ企画として「スタンプラリー」を運営。様々な中央区の企業やお店から商品提供を募り、スタンプや用紙などの用意までは中央区がしている。これによって来場者が増えているのも事実。しかし、スタンプラリー目当ての客のクオリティは低いのが現実。これは致し方ないかな。
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行政との変わった繋がりって部分もあり、数年参加させて頂いてるんだけど、回数が増えるに従って、そもそものスタートが霞む動きも今年見えた。
例えば「パンフレットを作るのであれば、ここは改善すべき」として、参加者からの提案を受けながら、だいぶ分かりやすいモノが出来上がってきたのだけど、最近では自由な要望ばかり出てきていて、参加事業者側の都合での意見が目立つ。
それをホイホイと受けちゃうから、事務局側は混乱している気がする。「それはあなたの都合であって、目的とズレがある」みたいな意見で突っぱねるのもいいけど、なぜか低姿勢な対応が気になるのです。
本来は対等であっていい。冷静に考えれば一番お金のかかる「印刷物」と「交通機関」を無料提供してくれるのだから、ある程度「必要、不必要」の判断はすべきだと思う。
また、広報をしてくれると書いたのだけど、コレがめっぽう弱い。ウェブメディアへの掲載が1件のみ。行政が絡む内容としてはとても弱い気がする。実際Twitterなどの対応も活用できておらず、これだったら無くて良いと思う。
このあたりは以前は電通テックが対応してたんだけど、今年はどこだったんだろう?ここは金銭が絡む発注があると思うので、この辺りの発注条件など見せた上で、事務局側でもう少し精査してもいいのかなって思う。冷静に見て酷いw
あと、スタンプラリー。
これ設置すると本当に来場数が増えるのだけど、スタンプだけ押して展示見ない人が多い。「とりあえず集めて豪華景品もらうぞ」ってのが見え見えで、ある意味清々しいのだけど、仕方ないんじゃないかなーって思う部分もある。
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パンフレットの作成も、スケジュールがキツイ。なんでそんなに早く情報集めたいのか分からないけど、個人レベルの企画なんてギリギリまで変化があるモノ多いんじゃないかな。進行がほぼ大手企業や行政のスケジュール。
時事ネタに反応したい人達の情報が疎かになりがちなのは、行政のやり方の押し付け感もあるかもしれない。
事実、今回は僕の周りの会場で急遽仕事の関係でNGとなった場所があった。本来は逆もあるんだよね。ギリギリになって、面白い企画が立ち上がって「だったら巻き込もうよ。会場を地図に加えるだけだし」ってスタイルであってほしいなって思う。
「まるごとミュージアム」の試みは面白いし、資本力の弱い場にとっては、心強い仕組みであるはずなのに、そういった場所が参加しにくいシステムになりつつある。
これは外受けの事務局の怠慢なのか、行政担当者の怠慢なのか分からない。
そもそもイベント慣れしてない人達が惰性でやってる感を見ると、現場の僕らはちょっと悲しい気持ちになる時があるんだよね。
「お金かからないなら文句言うな」は正論。
でも、「せっかくやるなら効果ある方法で運営しようよ。」ってのが本音かな。
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「まるごとミュージアム」も実績が出来つつあり、オリンピック開催で「文化事業」としての後押しもあって、ある程度の期待値が行政側にもあるからこそ、現場担当者の負担も大きくなっている気はするんだけれども。
イマイチ立ち位置がぶれつつあって、参加事業者からも、上からも要望ばかりで仕事が増える中間位置にいる担当者は、そろそろ爆発するんじゃないかな?
既にキャパ超えしていて、当日もその後の報告会でも、個人的にその混乱を見た気がする。たぶん、現在の中央区側の人員はイベントなれしてないので、自分のやり方で動かそうとしちゃってるんだよね。
金で解決しようとして、多くのスタッフを当日使いつつも、その制御で仕事増えてたりする負のスパイラル。
もうちょっと活かそうよ。無理なくやってくれた方が、参加事業者も気持ちが楽ですよ。
ましてや、オリンピック後は文化事業への予算も大幅に削られるだろうから(景気の動向によっては行政の収入も減るだろうし)、あまり金に頼った運営すると後々キツイかもね。
20171218
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