会期も最終日に迫る中で、ヨコハマトリエンナーレへ行ってきた。
率直な感想としては、重い作品が多い。思想が強すぎた。
複数の作家を集めた展示では「テーマ」がとても大切だけれども、それが具体的であるほど、作家や作品が強いモノになる。
強い作品は存在としてパワーも持つし、人も引きつける。好き嫌いも強く出るからこそ、中途半端が無いとも言えるよね。
アートの解釈は人それぞれで良いと思っている中で、僕が求めているのは「美しさ」。
醜さや汚さ、ストレートな感情含めて「美しさ」と思う。
そこに「思想」が入ると、どうも苦手な部類となる。「感覚」と「思想」の間に何があるのかわからないし、説明もつかないのだけれども。
原発や戦争に対する意見は僕自身も僕なりに持っているのだけれども、それを載せた作品は作れない人間なんだと思う。
それよりも、「今の心地よさ」「あのときの美しいと感じた気持ち」「悲しかった光」「冷たかった感触」そういう事を表す作品が好き。自分もそういう作風だと思う。
そこから何を感じ、どんな答えを持つのかは、鑑賞者の自由であって、作家側からプッシュされすぎちゃうと、反射的にはねのけてしまう。
そういう意味では、そうした作品が多く見られた気がする。
良い悪いは無いと思うのだけど、僕個人としては肌が合わない場だった。
─
宇治野さんの作品が素晴らしかった。
始まりの「映像」から、シームレスに繋がる展示空間で起きる全てが、ひとつのミュージカルを見ている様で、とても心地よかった。
それぞれの見せ方もセンスがビンビン痺れる感じ。目に見える全て細部までが美しかった。そして格好良かった。
─
今回の横トリの掲げたテーマに対して、作家としてどう選考を通すのか?その答えの出し方と実際に展示された作品と、それらが「作品」だと感じた。
自分の作りたい世界を作り出した作家の評価が僕の中では高くて、自分の作風と今までの世界を変えずに新しく見せる作家が美しいと思った。
現実から目を背けるな。みたいなのは分かるけど、でも、多くの人が見たいのは「心地よい」ものであって、それによって、結果的に同じ行動を引き起こすのであれば、後者こそ優れている見せ方なのでは。
人気の投稿
-
規模は違えど、過去に不特定多数の来場者を招くアート・デザインのイベントを運営側のひとりとして参加していた。 当時からTDWは存在していて、経営的な面でも複数の企業が出展するコマーシャルイベントとして成立している面で尊敬していた。 そのTokyo Designers Week...
-
高尾山口の標高は191m程度らしい。高尾山山頂は599m。だから実際に登る標高差は408mですね。都心部から電車で気軽に行ける山のイメージがあって、東京では有名な山のひとつだよね。 八王子育ちの僕は小学校の遠足で登ったのを覚えている。4年生くらいだったかな? 今日、八王子で...
-
「なぜ働くのか?」これ海外での感覚は分からないけれど、日本であれば学校を出ると働くもの。と。他の選択肢が無いままに提示されている感じはある。特に学校の中だけで活動を集中させると、その感覚はより強いものとなる。 「生きていく上で、生活費が必要。」これは確かに。 学生時代までは...
-
平日にちょこっと遊びに出れるのは自営業の特権。「日曜日が休み」という仕組みを早く廃止にした方が良いと思う。仕組みというか、その概念というか。 日曜日に観光地やそこまでのルートは混雑し、その結果平日には閑散としてしまっている現状がある。 「牧場」と、ふらっと検索して出て...
-
僕らは勉強してるが、目的は成績じゃない。 成功ではなく、優秀さを追求しろ。 成功は自ずと付いてくる。 「優秀であれば良い。優秀であれば成功する。」とあったのが、『きっと、うまくいく』という映画。インドが舞台の大学生の話。そして、その後にそれぞれどんな大人になったかを描いた作...
-
大学受験を控えて、気分転換に脚を運んだのが「国立西洋美術館」。その時は学校をバックレたのだと思うけれど、平日の朝一で上野へ行った。 外は日差しが暑い頃だったけれど、室内へ入るとひんやり心地よい空間だったのを覚えている。特別な展示は無くて、いわゆる常設展。通常の料金は学生という...
-
就活の本来の意味は? 仕事に出会うための活動をせず、狭い世界の中で決めていないか? ナカムラケンタさんの「 日本仕事百貨 」を見ていると、こんなに丁寧に仕事に向かい合っている人がいるのだと、日本人が好きになったりもする。メディアで騒ぐ情報は、心地よいものばかりじゃないから、...
-
これといって次に思い浮かぶSNSが無いのも事実。greeもmixiも遠ざかって久しい。 instagramは情報交換の場だよね。twitterは使ってる人の偏りも感じる。便利という視点では、facebook メッセージとLINEか。Snapchatは仲良しのコミュニケーションツ...
-
ユーザーの求めている情報の分析、そして整理された発信こそデザインの必要とされる場だ。 しかし、現在のTDWのサイトは何も伝えていない。誰あての文章化分からない言葉が並び、本日の中止を伝えているだけだ。 完全なユーザー不在。それはデザインを語るイベントの末路なのか。...
-
Macを初めて友人から買ったのが19歳とかだから、かれこれ20年以上Mac使ってる。何度か大きな変更で戸惑ったりもしたけれど、また最近Windowsを並行して使い始めて、あらためてMacの良さが分かった気がする。 理由としては、なんてこと無い習慣的なことだから「やっぱりWin...