先日面白い女性に会った。
活動の幅は広いのだけど、主にクラブなどのイベントを企画運営している。また実家が飲食店ということもあって、ケータリング料理なども担当するらしい。写真を見ると盛り付けも元気よくてセンス良かった。
好奇心の塊のような人で、フットワークだけでなく愛想も良くて仕事ができる。一目見ただけでも好感度は高い。彼女のイベントのサイズは様々で、ヒルズタワー系のホームパーティーなども請け負うことがあるという。
景気の良いパーティーでは「君のために部屋を借りてあげよう」とか「自由に使えるカードをプレゼントするよ」なんて甘い言葉もあるらしい。
でも、彼女はそれを全て断るという。それは「相手の期待する見返り」を嫌うのが理由と思ったのだけど、そうではなかった。
「甘い誘惑を受けても受けても良いんです。ただ、甘えている時間は良いとして、捨てられた時に『何も出来ない馬鹿な自分』が残ってしまいますよね。
そうした声が掛かるのは今の私が若いからであって、いずれもっと若い女の子が現れたり、飽きが来れば簡単に捨てられてしまいますよ。
甘えている時間は時間が止まる。若い時ほど無駄になりがちで、歳を重ねるほどにスキルを得るのは難しい気がしていて…。もしかするとそうでは無いかもしれないけれど、得たものは全て自分のモノになる。それは無駄な時間にならないですよね。
一人で稼ぐスキルを身に付ければ、いつだってお金を稼ぐことが出来ますよね?自分が使うお金は自分で稼ぎたいんです。
だから甘い誘いを断るんです。そんなのたぶん若い時だけだし、可愛い以外のスキルを持てれば、もっともっと稼げますよ。(笑)」
目の前であどけなく笑う女の子は20代に入ったばかりなのだから驚いた。
そんな彼女の話を聞きながら考えてたのは「誰にでも当てはまる話なのかもしれないな」ということ。持っているスキルひとつを武器にしたところで、簡単に消費されて終わってしまう。
一時的な需要にチヤホヤされる時間は良いけれど、それに甘え溺れることで失うモノは大きいかもしれない。常に新しいスキルを身につけ続けること、追い続けること、磨き続けることが大切なのだと教えられた。
「私には夢は無いの。全て目標か予定だからねっ」と笑顔で続けて、こちらもつられて笑った。
次に会う時はいったいどんな女性になっているのだろう。久しぶりに面白いと思う人に出会った。