学生から「暗い世の中を明るく変えたい」と突然言われた。うーん、曖昧でデカイ。
まず聞いたのは「世の中は暗いのか?」
その学生の目から見える世の中が暗いと感じるのかもしれないけれど、それは誰にも同じように見えているのか?という問い。
例えば、今日恋人が出来た人はバラ色だと思うし。恋人や家族と過ごす時間がキラキラしている人も居る。ご飯をおいしく作れて幸せ感じてる人も居るし、それを食べて感激してる人もいる。子供が生まれた人もいるし、就職が決まった人もいるだろう。お気に入りの財布を見つけたり、キレイな花を見たり、夜空の月がキレイだったり。
確実に、この瞬間に幸せを感じてる人がいるよね。少なからず、その時は暗いと思ってないと思うよ。
それを全て否定し、暗い話ばかりに注目して、「世の中が暗い」と言うのは自由だけど、なんだか「暗い」と言い切ってしまってるだけに、そうした幸せ感じてる人を見いだせずに「明るく」なんて出来るのかしら。
幸せを感じてる人は、たぶん周りに幸せを伝播させる力があると思う。「今日はこんな素敵な雲を見た」「お昼に食べたスープがとっても美味しかった」そういう事を自然に見つける人って素敵だよね。
たぶん、そういう人と接してる人も幸せだと思う。共鳴していくんだと思うよ。
だから、
「暗い世の中を〜」って人は、自分に都合よく世の中の暗いニュースを無意識に拾ってしまっているんだよね。望まない情報を排除し、悲劇のヒロインとなっている傾向だよ。
否定を否定しようとすることで、強く肯定する形となって、結果的に根底に否定を持ってくるから、全体的に否定から始まるドロドロした状況を創りだしてしまっている。
こういう状況を好む人達は一定数いるから、こういう意見の発生に共感する人はいるのだけど、実際に肯定しているのは「否定」だから、明るい話になりにくいよ。
あと、僕が「難しい」と言い切る理由はもうひとつある。
それは「他者の人生を変えることが出来ない」ということ。
人が何を考え、どう感じ、何を選択するのか。アドバイスは出来たとしても、最終的な選択は本人にしか出来ない。良かろうと無理やり与えたとしても、ポジティブな結果を得るとは限らない。望んだ結果とかけ離れれば、幸せは得にくいだろう。
「人を幸せにする」「世の中を明るくする」は残念ながら不可能なのだ。
つまり、「幸せだ」「明るい」と感じるのは本人次第なので、「幸せに出来た」「明るく出来た」というのも自分の主観であって、世の中では無い。
生きるなかで、多くのひとの意見に触れて、様々な考えがあることを知る。その中で自分の考え方が生まれて、様々な日々の選択を重ねていく。
もし「世の中を明るく」したいのであれば、自分が「明るい」と心の底から思えるかどうか?なのだろう。「暗い」前提に「明るく」は出来ない。
身近に咲く華の美しさに気付くことで、世の中がガラリと変わることがある。
その美しさに気づいた時、また新しい世界が広がるのだと思うよ。
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