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20180210

仕事での格差と物理的な距離感

仕事が無い的な話をニュースなどで読むと同時に、仕事を断っても入り続ける人の話を聞いたりする。もちろん後者は「休ませない」って環境に居るわけじゃなくて、高いプライスタグを掲げた上で、断っても仕事の依頼が入るというもの。

この差はなんだろう?って考えていくのが、僕目線の答えの探り方なんだろうな。

仕事が途切れない人・仕事が入らない人

価格を上げても、断っても仕事が切れない人の仕事は丁寧で、常に切り口が鮮やかであったり、効果も大きかったりする。仕事に於けるセンスの良さとも言えるけれど「世界に数人レベルの人材」って感じでも無いと思う。
同程度の実力持っている人は多々思い浮かぶし、評価も同じくらい高い。実際みんな仕事切れてない。ってことは、こうした人達に仕事が集中している。

一方でその反対。価格を下げても仕事が得られない人というのは、どんな状況なのだろう。なんとなく近くで思い浮かぶのは不器用って印象はあるかもしれない。
とはいえ、仕事が雑ということでもないと思うし、人間的にキケンという事でもない。
これ、この差の原因は環境なのかなって思う。

営業の方法が分からなかった自分

自分が生きる上で仕事を得ようとした時に、「トントンッ」と会社のドアを叩くことはしたことが無くて、そもそも「営業」って何をすれば良いのか分からなかった。
自分が売り込める具体的なネタがあった訳でもなく、例えば使えるスキルがどれほどの価値があって、社会や特定の会社にメリットを与えられるのかも分からなかったわけです。

当時、HTMLやJavascript、Flash、CGIなどは使えても、そのスキルが社会的に見て「どのレベルなのか」を測ることが出来ない。学校などで勉強していれば、少なくてもそのコミュニティの中では「誰よりもこれが得意」って言えたかもしれないけれど、独学ゆえのデメリットだったのかもしれないところ。

居心地の良いバーを見つけた

分からないまま当時知り合った人のバーへ夜な夜な通った訳です。理由は簡単で「毎晩面白い人が来る」というのと、「居心地が良い」ってだけ。
編集をやってる経営者の場だったからこそ、幅広いクリエイティブの現場で活躍する人達が出てきていたというのもある。
編集者ってのの顔の広さに驚いたり、その実力を見たりしたのがこのリアルな場でした。

CMやWEBの制作会社の人が「こんなこと出来る人いないのかな」なんて具体的な相談をマスターにする時もあるし、「僕こんな事が出来るんですよ」って人と飲みながら、新しい企画を思いつくってこともあったのだと思う。

何より同じ「場」を「心地よい」と思って通う人達だからこそ、大きく価値観が異ならないって部分もあったかもしれない。感覚的な共通点を持てる人を、場が選んでくれていたとも言えるかもしれないね。

仕事の依頼は引き出しにある人にしか出せない

そう、結果としてココに通うことで仕事を得ることが出来て、1度繋がってしまえば「この仕事はあの人に頼もう」ってなる。
自分が仕事を依頼する側になって思うのは『自分の引き出しに入ってる人にしか頼めない』ということ。

「アーティストありき」であれば、企画段階から交渉して組み立てていくけれども、大概仕事って限られた納期に対して、要望をクリアさせる必要があるので、自分の知っている人を頼ることが多くなる。

新しい人を巻き込むことで、プロジェクト全体に良い緊張感や新しい風を通すことを知っていても、失敗のリスクを考えると「どれだけ信頼できるか」を納品日まで悩むより、ある程度結果を持っている人に頼みたくなる。外せない仕事ほど、信頼できる人に頼みたくなる。(皆、それをベストな選択とは思ってないんだけどね…。)

結果として、多少価格が上がれど「この人に頼みたい」ってことに繋がっている。
実績も貯まるし、失敗するプロジェクトもあれば、数を経験することで成功事例も増える。この部分は良いスパイラルね。

業界の輪は会社の中にあるわけじゃない

自分がやりたい仕事や業界の人達の場に潜り込むって事が、自分が仕事を得る上での近道だと思う(学生にすすめてたりする)のは、こうした経験から。
で、こうした場はどこにあるのか?っていうと、やっぱり世界中見ても集中するポイントがある。海外に於いては業界ごとに街があるし、僕がその時夢中になってた「Web」やら「新サービス」関連は、東京の中なら渋谷恵比寿青山西麻布とか?

僕が当時通ってたのは原宿で、外苑前とか表参道あたりも、その日に誰かが居る店をなんとなく知ってたかも。
今となっては、どこも知ってる店は無くなってしまって、気づいたら新しいお店になっていたり。でも、時代にあった良い場所が必ずある訳で、そうした場へ自分が居ることがその業界の仕事を得る上で早いんじゃないかな?って思うのです。

就職しても外の人と繋がりは大切

仕事を得たいのであれば、仕事を依頼する側の頭の引き出しに入ることが出来るか。が重要になってくるので、ポートフォリオとしての簡単なサイトを作ったら、営業が下手な人ほど、夜な夜な遊びに行くってのがオススメです。狭い店ほど話すキッカケが作りやすくて、人見知りな人 は狙って行っても良いかも。
誰かに連れて行ってもらうのが一番で、そこで店の人に紹介してもらえれば、次からは一人でも行きやすい。

その場所自体が楽しくて、遊びに明け暮れちゃうタイプの人もいるけれど、それはそれで幸せそうだったりするから、良いのかなって思ったりもする。気づいたら経営側に入ってるなんてこともあるし。

就職とかで「これで業界の友達沢山できるぞ」って思うかもしれないけれど、実は会社を軸にしてしまうと、とても限られたリソースしか得られないことに気づく。それに落胆したりする新社会人もいるのでは?
遊びに行くのも、趣味を通しても、会社の文脈から異なるリソースを持つことで、自分の世界は大いに広がることは知っていて良いと思う。

ネットがあっても物理的な距離は重要

物理的な距離って大切だと思う。
「今週ちょっと打合せできませんか?」とか「今日なんですけど、どこかで相談できませんか?」なんて話は『距離』そのもの。

やりたい仕事に対して「住む場所」や「遊ぶ場所」って選択は重要なのでは?
もし「やりたい仕事」に近づけていないのであれば、「住む場所」「遊ぶ場所」を考え直してみるというのもアリかなって思うのです。

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