最近は大学生が売り手市場というけれど、事実として内定は取りやすくなってる様だ。ただ中を覗いてみると、内容としては色々な課題もある。
大学側が学生に進める就職情報は主にマイナビ的な情報を集約した場からの求人。本来はそれぞれ学生にあった職場の提案があるべきが理想だけれども、現実には厳しいと思う。学生も社会の職業も多様化しすぎているので、実際にそこを追いきれる就職担当者ってのも難しいんじゃないかな。
就職課は「就職を望む学生が相談しに行く場」であって、強制的に就職を取らせる課では無いはず。就職率の高さが学校の人気度に反映されるとあって、就職課に力を入れる学校は多い。
学生当人がそれぞれ「自分は何に興味があって、何が提供できるのだろうか」と自問自答する時間があれば良いのだけれど、それだけの経験を実感する時間が無い。
「自分が向いていること。自分の得意なこと。」って、多くの他者との関わりの中で見えるものだから、同じ研究室にいる人達の中では社会の中での自分の立ち位置なんて見ることは出来ない。むしろ社会の中で平均以上の才能や技術を持っていたとしても、成績の順位による劣等感さえ感じることもある。
それによって「嫌い」になる学生もいるんじゃないかな。
それって結局は本人の怠慢でしかないのだけれども。義務教育からの高校生活や大学受験、専門的な教育を日々浴びながら、あっという間に「就職しろ」と突きつけられる時に冷静になれない人も多い気がしている。横で見つつ。
僕ら76年生まれの世代は就職氷河期と言われていたけれど、結局そこで強制的なブレーキを掛けられたことで、冷静に自分と向き合う時間が作れたのかもしれない。
「自分は今何やってるんだろう」と落ち込んだ時も多いけれど、環境も文化も異なる人達が隣り合う「社会」の中で、自分に出来ることと向き合い、提供しながら、それによって喜んでくれる人が居ることを知って、一歩一歩「やりたい事」を見つけていった気がする。
今の大学生は求人が来ている所へ、好き嫌い選ばずであれば内定は取れると思う。あと数年はそんな感じだと思う。(2020以降は社会的に経済面での変化があっても、求人については判断しにくい部分もあるよね。多くの人が辞めるタイミングだし。)
その状況が、右も左も分からぬままに「社会と言う名の閉じられた組織」に組み込まれ、鎖国状態になれば自分の価値も判断しにくい社内評価に右往左往となる。
40になって周りを見た時に、この鎖国状態の中で会社名を背負った名刺に持ち上げられていることに気づかず、偉ぶってる姿にカナシミを見ることもあるよね。
そこは反面教師に。
「就職先が無い」この言葉で救われた状況もあったのだと今は気づく。下手に自分の望まぬ場に迷い込んでしまっていたら、色々と違う景色を見ていたことだろう。
どちらが良いのかは誰にもわからないけれども。
20171218
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