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20100727

旅の途中

放浪の旅に出る。自分探しの旅に出る。
そんな言葉は良く聞くが、実際にどれだけの人が旅に出ているのだろうか。
いや、旅に出た人は出たままなのかもしれない。
私は旅に出た。
色々と迷う事があると、突然どこかに移動したくなる。
どこかに行きたいという気持ちよりも、この場にいたくない。
そんな気持ちの方が強い。
1度目は東北へ。20歳の誕生日を迎える際に、
突然の移動欲求があり、毛布を車に積み込んで北へ向った。
軍資金は当時のバイト先へ頼み込んで前借り。
更には1週間の休暇を貰う。
そう考えると突発的とはいえ、計画的なのかもしれない。
実家に住んで居たので、姉に一言「東北へ行く」と言葉少なに伝え、
逃げる様に車を走らせたのを覚えている。
当時何から逃げたかったのかは分からない、
どんな状況だったかも分からない。
単純に、誰も知らない人達に囲まれたかったのかもしれない。
夕方出て、とりあえず茨城付近へ。道の駅などで車中泊。
結構寒かった事だけ覚えている。
早朝、深夜関係無く、走りたいだけ走った。
身体が冷えるので、毎日温泉を巡った。
村営や町営を狙って行くと、200円くらいで入れるから。
おかげで帰る頃には、お肌はすべすべだった。
車はファミリアのオープンカー。20万くらいで購入した車だった。
気ままに幌を開け、なるべく山道や高原を走り抜けて、
ふと我に返ったのは、遠野に付いた時だった。
ご当地ビールが話題になり始めた頃。
遠野の駅近くのバーで、一人ご当地ビールで祝杯。
この時ばかりは、民宿へ宿泊。
そのあとは、宮沢賢治の家を巡り、小岩井農場へ向った後に、
東京へ戻る事にした。
何日かかったかは覚えて居ない。
ただ、これが私の放浪のスタートだったと思う。
行く前と違うのは肌のすべすべ感と、ほんのりと日焼けした肌くらい。
気持ちも何も、まったく変わる事は無かった。
なんかモヤモヤする感覚だけは覚えている。
今も消えていないのかもしれない。

2015/07/18:追記
今なぜ旅に出たいのか原因を指摘された気がした。

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